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犬の栄養学

【老化予防】愛犬に食べさせたい「抗酸化作用」のある食品まとめ

愛犬の健康を守るのは飼い主の努め。そしてその健康を大きく左右するのが毎日の食事です。

そこで知っておきたいキーワードの1つが「抗酸化作用」病気も老化も遠ざける、この優れた作用を持つ食品は私たちのまわりにたくさんあります。

…でも知らなければスルーしてしまうことも多いかも?それではもったいない!

このページでは、犬にも効果的な「抗酸化物質」と、どんな食材や食品に含まれているのか?(犬に与えられるもの限定)を詳しくまとめてみました。

体の酸化は病気と老化を早めてしまう

まずは「体の酸化」についてちょっとだけご説明しておきましょう。

巷でもよく聞くこの“酸化”とはどんな状態なのか?簡単に言うと、物質が酸素に触れて変質してしまうこと、です。

ここでほぼ100%される例えがこちら↓

  • 鉄が錆びる
  • りんごを切ると断面が変色する

はじめは綺麗だった鉄も気が付けば錆びています…。りんごも切ったばかりなのにすぐ茶色くなって不味そうになっちゃいます…。

これはそれぞれ、酸素に触れることで化学反応が起きた結果なんですね。

この例からも分かるように、酸化っていいものじゃありません。(もちろん必要な作用もあります。)

この現象が、私たちの体の中で起きると、さまざまな病気や老化を早める原因となってしまうのです。

体を酸化させる犯人は…「活性酸素」お前だ!

体が酸化してしまう主な原因は「活性酸素」です。これもよく聞く言葉ですね。

活性酸素は、「酸化させる力が強い酸素」のこと。“酸素”とあるように、私たちが呼吸で取り込んだ酸素の約2%が変化したものです。

そう、息を吸えば体の中に作られてしまうものなんです。さらに現代では「活性酸素が増える要因」にさらされている人(犬も)がとても多いです。

活性酸素が増える要因

激しい運動、ストレス、睡眠不足、紫外線、タバコ、乱れた食習慣など。

この活性酸素、「悪者」と決めつけられがちですが、その強力なパワーでウィルスを退治したりと良い行いもするのです。でもいかんせん増えすぎてしまうと、そのパワーの矛先が、我々の体を作っている「細胞」へと向けられてしまうという…。

細胞が傷付けばその機能が狂ってしまいます。

その結果、がん、糖尿病などの重い病気や、動脈硬化などの生活習慣病、シワ、しみなどの老化を早めることにつながります。

人より犬のほうが酸化のリスクがあると思う理由

さまざまな病気のリスクを高めて、老化も早めてしまう…

そんな厄介な作用が「酸化」で、その酸化の主な原因は「活性酸素」であることが分かりました。

これは人に限らず、犬でも同じことが言えます。

むしろ私は人よりも犬のほうがそのリスクは高いのではないか…と。

なぜなら、人の場合は自分主体で動くことができますが、犬はできないからです。何をするのも、何を食べるのも、すべては自分のご主人次第。

  • 散歩に行かず、運動量が少なく毎日ストレスをためている
  • 人の場合は気にするけど犬の場合は気にせずにタバコを吸う
  • 粗悪なフードに入っている酸化した食材を大量に摂っている

などなど。

こんな環境に置かれているワンちゃんも多いのではないでしょうか?そうなると、活性酸素もかなり大量に作られていそうです(-_-;)

(「激しい運動」も当てはまりますよね。というか、走り回ってハァハァしてるのが「ザ・犬!」という感じですし^^;)

「抗酸化作用」のある食品を知る・食べる

たとえ↑にあげたようなことに気を付けていたとしても、じわりじわりと侵食してくるのが「酸化」です。

だから大事なのは、積極的に「抗酸化物質」を摂ること。

「抗酸化物質」は、読んで字のごとく「酸化に抗う作用をする物質」のこと。活性酸素を打ち消して酸化を食い止めてくれる、ありがた~い存在なのです。

でも意識していないとスルーしてしまうものも多いため、まずはどんな抗酸化物質があり、それがどんな食品に含まれているのかを知ることが大事です。

ここでは犬に与えても大丈夫なものをピックアップしたので、ぜひチェックしてみてください。

ビタミン

体の微調整に大切な栄養素のビタミン。全部で13種類あるうち、特に抗酸化作用が強いのがA、C、E。合わせて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれています。それぞれが効果を高め合うので、一緒に摂るとなおよし!

ビタミンA

脂溶性ビタミン。目や皮膚の健康を守り、免疫力を高める働きがあります。

ビタミンAを多く含む食品

にんじん、ほうれん草、春菊、小松菜、レバー、銀だら、卵黄、バター、チーズ

ビタミンC

水溶性ビタミン。たんぱく質やコラーゲンの生成に関わっています。「犬は自分で作れる説」が有名ですが、じつは足りてない…とも言われているので、しっかり補ってあげたいもの。

ビタミンCを多く含む食品

ピーマン(赤・黄・青)、パプリカ、芽キャベツ、ケール、ブロッコリー、モロヘイヤ、ゴーヤ、柿、キウイフルーツ、いちご

《関連》まさか!犬にビタミンCって必要ないと思っていたのに…
《関連》犬が食べても平気なビタミンCが多い食べもの【野菜・果物】

ビタミンE

脂溶性ビタミン。脂質の酸化を防ぐことで有名。動脈硬化の予防やアンチエイジング効果が期待されています。

ビタミンEを多く含む食品

アユ、植物油(紅花油、コーン油、なたね油)、種実類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ)、モロヘイヤ、赤ピーマン、かぼちゃ

ビタミンB2

水溶性ビタミン。ACE(エース)の影に隠れていますが、高い抗酸化作用があります。細胞の再生、成長サポート、脂質をエネルギーに変える働き、白内障など目の病気の予防効果もあり。

ビタミンB2を多く含む食品

レバー、納豆、卵黄、アーモンド、まいたけ、カマンベールチーズ、モロヘイヤ、さば

ミネラル

使われるのは少量でも、体を作るうえで絶対に欠かすことのできないミネラル。種類はなんと100以上!そのうち16種類が体に必要な必須ミネラルですが(人の場合)、ここではその中でも抗酸化パワーに優れた精鋭たちをご紹介。

セレン

抗酸化作用を持つ酵素の成分になります。免疫力や抵抗力をつけるのにも大事。炎症を抑えることでがん予防にも効果が期待されています。

セレンを多く含む食品

かれい、パスタ、レバー、ワカサギ、たまご、さば、まぐろ、かつお、ぶり、かつお節、玄米、納豆

血液成分「ヘモグロビン」の材料である鉄の吸収に関わるため、貧血予防に効果を発揮。活性酸素とも戦ってくれるので老化予防にも。

銅を多く含む食品

レバー、納豆、小麦胚芽、カシューナッツ、ごま、松の実

マンガン

糖質、脂質の代謝や、抗酸化作用を持つ酵素など、体のあらゆる酵素を働かせるのに必要です。

マンガンを多く含む食品

しょうが、モロヘイヤ、あしたば、玄米、納豆、れんこん、青のり

亜鉛

多くの酵素を働かせるのに必要なミネラル。皮膚、粘膜の健康維持、DNA合成に欠かせません。活性酸素から体を守る酵素を作ります。

亜鉛を多く含む食品

レバー、小麦胚芽、牛肉、卵黄、いかなご、チーズ

《関連》犬も亜鉛不足が深刻…?知っておくとよい食べ物やサプリのこと。

※銅、マンガン、亜鉛は、活性酸素を消す酵素「スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)」の材料になります。

ファイトケミカル

種類はおよそ1万以上とも言われる、植物の持つ体に良い働きをする成分のこと。そのほとんどが、「色素・香り・苦みや辛み」成分で、高い抗酸化作用を持っています。

カロテノイド系、フラボノイド系、ポリフェノールなどいろんな括りで分けられていますが、ここではまとめてご紹介しちゃいます(;´∀`)

アントシアニン

自然界に存在する紫色の色素で、「目に良い」と言われるポリフェノールの一種。目の健康のほか、活性酸素が作られるのを抑える、肝機能の向上などいろいろな作用が確認されています。

アントシアニンを多く含む食品

ブルーベリー、紫さつまいも、カシス、いちご、なす、黒豆

βカロテン

体の中で必要な分だけが「ビタミンA」に変わる物質。目や粘膜の健康維持に欠かせません。酸化防止、免疫力アップにも役立ちます。

βカロテンを多く含む食品

にんじん、モロヘイヤ、ほうれん草、あしたば、かぼちゃ、小松菜、チンゲン菜

リコピン

トマトがあんなに赤いのはこの色素の力。特に注目なのがずば抜けた抗酸化力の高さで、そのパワー「βカロテンの2倍、ビタミンEの100倍以上」とも。

リコピンを多く含む食品

トマト、スイカ、柿

ルテイン

ブルーライトを吸収して目を守る役割があります。高い抗酸化作用で目の老化予防に効果的。

ルテインを多く含む食品

ほうれん草、ブロッコリー、ケール、にんじん、かぼちゃ、卵黄

ケルセチン

抗酸化、抗炎症作用に優れており、動脈硬化や脳血管系の病気予防に効果が期待できます。1番多く含まれるのは「玉ねぎ」ですが、犬はNGなので↓をご参考に。

ケルセチンを多く含む食品

アスパラガス、レタス、りんご、ほうれん草、ブロッコリー

ゼアキサンチン

ルテインとともに、「ぼんやり…」を改善。目の健康を守る成分として知られています。

ゼアキサンチンを多く含む食品

パプリカ、卵黄、とうもろこし、ほうれん草、柿

アスタキサンチン

数ある抗酸化物質の中でもトップクラスのパワー。その抗酸化力は、ビタミンCの6000倍、ビタミンEの1,000倍とも言われています。(※こちらは植物じゃなく動物性です)

アスタキサンチンを多く含む食品

さけ、鯛

ショウガオール

生姜の辛味成分で、生姜を乾燥や加熱することで作られます。ほどよい抗酸化作用と、血行促進や保温効果あり。

ショウガオールを多く含む食品

生姜

タンニン

お茶の渋み成分として有名。抗酸化作用のほかにも血圧低下や殺菌抗菌作用があります。適量であればいいですが、摂りすぎは便秘などの原因となるのでNG。(お茶はカフェインが多いので犬には不向きです。)

※同じくお茶の苦み成分である「カテキン」も、タンニンとほぼ同じものとして扱われています。

タンニンを多く含む食品

モモルデシン

ゴーヤのあの独特の苦み成分。胃液の分泌を盛んにして食欲や肝機能アップ効果が。胃腸を保護するけど、逆に食べ過ぎは胃を痛めます。(犬にゴーヤは少量が吉)

モモルデシンを多く含む食品

ゴーヤ

カプサンチン

唐辛子や赤ピーマンの赤い色素。注目すべきはβカロテンよりも強い抗酸化作用です。善玉、悪玉両方のコレステロールの酸化を防ぐので生活習慣病予防に効果的。

※唐辛子の辛み成分「カプサイシン」とは別ものです。間違われやすいので注意。

カプサンチンを多く含む食品

赤ピーマン、パプリカ(赤)

イソフラボン

高い抗酸化力と、女性ホルモンに似た作用をすることから、アンチエイジング効果が期待されている成分です。犬では、避妊した子にありがちな尿もれにも良いとのこと。

イソフラボンを多く含む食品

大豆製品(豆腐、納豆、きなこなど)

セサミン

ごまに少しだけ含まれている貴重な抗酸化物質。老化を招く活性酸素を消して愛犬の若々しさをサポートしてくれます。

セサミンを多く含む食品

ごま

その他

コエンザイムQ10

エネルギーを作るのに必要な補酵素の1つで、強力な抗酸化作用を持っています。「酸化型」「還元型」の2種類あって、体の中で効率よく使われるのは「還元型」のほうなので、サプリを買うならそちらがおすすめ。

コエンザイムQ10を多く含む食品

いわし、サバ、豚肉、牛肉、オリーブオイル、鶏肉、ブロッコリー

メチオニン

必須アミノ酸の1つ。抗酸化作用を持つミネラルの「セレン」を運ぶ役割があるため、老化防止に一役買ってくれます。

メチオニンを多く含む食品

かつお、さば、牛肉、豚肉、鶏肉、卵、チーズ、カシューナッツ、えだまめ、ほうれん草

抗酸化作用のある食品まとめ【一覧】

ここまでズラッとご紹介してきた「抗酸化作用のある食品」を一覧にまとめてみました。

中には季節の旬もので入手が難しいものや、あまりたくさん摂れないものも含まれていますが、ぜひ参考にしていただき、愛犬の食事の抗酸化力アップにお役立てください(*^^*)

ビタミンA にんじん、ほうれん草、春菊、小松菜、レバー、銀だら、卵黄、バター、チーズ
ビタミンC ピーマン(赤・黄・青)、パプリカ、芽キャベツ、ケール、ブロッコリー、モロヘイヤ、ゴーヤ、柿、キウイフルーツ、いちご
ビタミンE アユ、植物油(紅花油、コーン油、なたね油)、種実類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ)、モロヘイヤ、赤ピーマン、かぼちゃ
ビタミンB2 レバー、納豆、卵黄、アーモンド、まいたけ、カマンベールチーズ、モロヘイヤ、さば
セレン かれい、パスタ、レバー、ワカサギ、たまご、さば、まぐろ、かつお、ぶり、かつお節、玄米、納豆
レバー、納豆、小麦胚芽、カシューナッツ、ごま、松の実
マンガン しょうが、モロヘイヤ、あしたば、玄米、納豆、れんこん、青のり
亜鉛 レバー、小麦胚芽、牛肉、卵黄、いかなご、チーズ
アントシアニン ブルーベリー、紫さつまいも、カシス、いちご、なす、黒豆
βカロテン にんじん、モロヘイヤ、ほうれん草、あしたば、かぼちゃ、小松菜、チンゲン菜
リコピン トマト、スイカ、柿
ルテイン ほうれん草、ブロッコリー、ケール、にんじん、かぼちゃ、卵黄
ケルセチン アスパラガス、レタス、りんご、ほうれん草、ブロッコリー
ゼアキサンチン パプリカ、卵黄、とうもろこし、ほうれん草、柿
アスタキサンチン さけ、鯛
ショウガオール 生姜
タンニン
モモルデシン ゴーヤ
カプサンチン 赤ピーマン、パプリカ(赤)
イソフラボン 大豆製品(豆腐、納豆、きなこなど)
セサミン ごま
コエンザイムQ10 いわし、サバ、豚肉、牛肉、オリーブオイル、鶏肉、ブロッコリー
メチオニン かつお、さば、牛肉、豚肉、鶏肉、卵、チーズ、カシューナッツ、えだまめ、ほうれん草

抗酸化物質はただ1つを摂るよりも、複数種類を合わせて摂ったほうがその効果は高くなります。なので、1つの食品に偏らずにいろいろな食品、食材を組み合わせて使ってみましょう。そのほうが自然と栄養バランスも良くなります^^

まとめ

老化は避けては通れないけれど、出来る限りゆるやかに、少しでも元気で健康で若々しい状態をキープしたい。

自分自身もそうですが、可愛い愛犬では自分以上にそう願ってしまいます。

そのためにできる有効な方法の1つが、今回ご紹介した「抗酸化作用のある食品を食事に取り入れること」です。

手作りごはんはもちろん、ドッグフードが主食であれば、トッピングやおやつにあげてみるのもいいでしょう。

あなたもぜひ参考にしてもらって、愛犬と一緒に「サビない体」を作っていきましょう^^