家族に「結石持ち」や「痛風持ち」がいる場合、食事には気を付けなければいけませんよね。
主に「プリン体」には注意しなければいけません。
でもこのプリン体…犬にはどうなのでしょうか?犬もプリン体の摂りすぎで痛風になったり、結石ができたりしてしまうのでしょうか?
今回はそこのところを詳しく調べてみました。
プリン体って何?
聞いたことはあるけど、そもそも「プリン体」が何なのかよく知らない…という方もいるかもしれません。あなたはいかがですか?
プリン体は、細胞の核酸の材料になる物質です。痛風や結石持ちになると「悪者」のレッテルを貼られてしまうプリン体ですが、じつは体にとっては極めて重要なものなんです。
じゃあそのプリン体の何がいけないのかというと、代謝して生まれる「尿酸」になります。
プリン体は代謝の過程で尿酸を作るのですが、この尿酸がいけない。
尿酸は「細胞の老廃物」と言われているように、体にとっては“もう利用価値のないゴミ”…のようなもの。
すべからく外に出して然るべきものなのですが、何らかの理由で、「出す量」より「体内に留まる量」が上回ってしまうと、それが結晶化して結石や痛風の原因になってしまうんです。
尿酸がたまってしまう原因は色々な説があります。
まず、1番に言われているのが「プリン体の摂りすぎ」。尿酸のもとがプリン体なのでこれは当然といえば当然…?
と思いきや、最近では「あんまり関係ない」とも言われています(-_-;)
なんでも、食べ物からのプリン体→尿酸は全体の20%ほどで、残りの80%は体内にあるアミノ酸→プリン体から勝手に作られる、そうなのです。
もちろん摂りすぎは症状を助長すると思いますが、「食事制限をすれば問題なし!」とは残念ながらならないようで…。
体質によるものも大きいと聞きます。
犬もプリン体の摂りすぎはよくない?
さて、それでは本題の「犬とプリン体」についてです。
まず「摂りすぎ」は何でもよくないので、バランスの良い食事をするのは基本として、犬も人と同じようにプリン体には注意なのかというと…
大丈夫らしいです!(・∀・)
急に大丈夫と言われても混乱しますよね(笑)詳しくご説明します。
簡単に言うと「人と犬の体はちがうので、犬は人のように尿酸をためることが無い」らしいのです。
人は尿酸を尿から外に出しますが(だから尿酸)、犬はその後にもう1ステップ、「アラントイン」という物質に変えてから排出します。
これは、尿酸オキシダーゼという酵素の働きによるもので、この酵素を犬は持っていて、人は持っていません。
そして、尿酸は水に溶けにくい、でもアラントインは水に溶けやすい。
だから犬は体内の尿酸を尿に上手く溶かし込んで、スムーズに外に出すことができるんです。
なので「犬は痛風にならない」と言われています。
でも…あれ?ちょっと待ってよ。
結石持ちのワンちゃんってたくさんいるじゃん!( ゚д゚ )
って思いましたか?思いますよね。そのところどうなんでしょう?
尿路結石の犬は結構いる
「痛風にならない」という情報はあったものの(信憑性はどうなのか…)、「結石にならない」という情報は見当たりませんでした。
↑のようなシステムになっているのなら、結石になる犬もほとんどいないということになりますよね。
しかし、実際は尿路結石で悩んでいるワンちゃんは多くいます。
どういうこと??
これはやっぱり体質によるものであったり、犬の場合、プリン体→尿酸以外のところからきている可能性もあるのだろうと思います。
ぶっちゃけ、先にも書いたように、食べ物のプリン体が原因だと言われていたけどそうじゃなかったり…人の場合でもその原因は詳しく分かっていないので、犬の場合だったらなおさらですよね。
なので「体の仕組みから、犬は人よりも結石や痛風にはなりにくいけど、だからと言って100%安心ではない」と思ったほうがいいかも?
もー「大丈夫」って言ったり「安心できない」って言ったり、結局どっちなのよ?(`´)
と言うと、結局は…
「プリン体が気になる!」と思っても、普通にバランスの良い食事を心掛けていれば、それが1番だと思います。
あとはやっぱり、水分を多く摂らせるようにする、適度な運動…など一般的に言われている対策が大事です。
ダルメシアンだけは要注意
犬とプリン体について書いてみました。そこで、犬は人よりも「結石になりにくい体質」ということが分かりましたね。
しかし!じつは「ダルメシアン」だけは要注意なんです。
犬の中で、ダルメシアンだけは人と同じように尿酸をそのまま外に排出します。↑で書いた尿酸オキシダーゼを持っていないので、水に溶けやすいアラントインに変えることができないのです。
なので、ダルメシアンには尿路結石持ちの子が多いです。
どうしてダルメシアンだけが?
その理由も詳しくは分かっていません(汗)
なので、ダルメシアンオーナーさんは、それほど関係ないとは言われていても、やはり「プリン体」の摂りすぎには気を付けたほうがいいかもしれませんね。
ドッグフードの原材料もしっかりチェックして、なるべくプリン体が少ないものを選んだほうがいいでしょう。
まとめ
犬とプリン体との関係について書いてみましたが、いかがでしたか?
痛風や結石の原因になることで矢面に立たされている「プリン体」ですが、実際のところはどうなのか…人の場合も犬の場合も正確には分かっていないのがもどかしいところです(-_-;)
ただ、ダルメシアンを除いては、犬は人よりもそのリスクは低いというのは間違い無さそうなので、これからも「バランスの良い食事」を心掛けてあげることが1番かなと思います。