犬の栄養学

「犬に生肉」のいいところ、気になるところを正直にまとめてみた!

ドッグフードオンリーから手作り食を作る人が増えた現代の犬のごはん事情。そしてそこに、最近では「生食」を取り入れる人も珍しくなくなってきました。

生食とは読んでそのまま「生の食材を与える」こと。でも完全に生一色!というよりは、「生肉をあげる・取り入れる」という人が多いみたいです。

犬に必要な食材の1位は何と言っても「お肉」ですから、まずはそこから…という考えも納得ですよね。

そこで今回は、犬に与える「生肉」に迫ってみたいと思います。いいところ、注意するところ…などなど、これから愛犬に生肉をあげてみたいなぁとお考えのあなたは要チェック!

「生肉」にもいろいろある

まず「生肉」について具体的に知っておきましょう。

今までフードだけだった人が、急に「生肉」という単語を出されてもピンと来ないのではないでしょうか。何か特別なそういうお肉があるのか?と思ってしまいそうですよね。

これは…普通に“加熱していないお肉”というそのままの意味の「生肉」の解釈でOKです(・∀・)

身近なスーパーで売っているもの、通販でしか手に入らないもの…といった線引きはありますが、生肉はそのまま「生のお肉」のことです。

犬に与えていい生肉の種類

鶏肉、牛肉、馬肉、鹿肉、ラム肉、鴨肉、カンガルー肉、うさぎ肉、七面鳥肉など

↑には書いていませんが、特に寄生虫などのリスクが高い「豚肉」も“特別な処理”がされたものなら生で与えてもよいとされています。

特別な処理とは…業務用の冷凍庫などで-20℃以下、24時間以上冷凍されたもので、これだと細菌類は死んでいるのでペット用に市販されているものもあるのだとか。

ただやっぱりね…圧倒的に多いのが「NG」としている情報。なので少しでも不安なら豚肉は生では与えないほうが無難です。私は怖いのであげてません^^;

スーパーに売ってる加熱用のお肉を生であげて大丈夫?

先にチラッと「スーパー」という単語を出しましたが、スーパーで売っているお肉はほとんどが「加熱用」。というより通販で売っている(ここでは人間用)お肉でも「生食OK」のお肉は少ないですよね。

そんな加熱用のお肉を生で犬に与えても大丈夫なのでしょうか…?

その答えは…8割くらいは「大丈夫」で、2割くらいは「できれば避ける」でしょうか(-_-;)どういうことかご説明しますと…

やはり生食は「新鮮さが命!」なので、「生食OK」としているお肉と比べるとやや不安が残るのは否めません。

しかし犬の胃酸は強力であること(菌が付いていても死滅する)、スーパーで売っているお肉はきちんと品質検査されたものが卸されていることなどから特に問題は無いという声も多いのです。

心配であれば「生食OK」の生肉がいいですが、加熱用のお肉が、犬にとって絶対に生食NGなわけではないことを覚えておいてください。(うっかり食べちゃってもそう慌てることはない)

…ただ、初めて生肉を与える場合は生食用をおすすめします。(胃が慣れていないので特に新鮮さを重視)

生肉のいいところ・気になるところ

近くのスーパーでも愛犬に与えられる生肉が気軽に買えることが分かりました。

そこで次に知りたいのは「生肉のいいところ」です。愛犬に生肉を与えるメリットですね。

これはたくさんあります。しかし同時に気になる記述もチラホラ…。いつも思うのですが、良い意見もあれば逆の意見もあるものだなと。。

ここでは隠さずにまとめてみたいと思います。

酵素や栄養素がそのまま摂れる

まず、生肉の最大のメリットと言ったらこれです。生だからこその栄養素が摂れること。

悲しきかな世の中の食材には加熱することで壊れてしまったり減ってしまう栄養素がとても多いです。それを損なうことなく、そのままを摂れることが何よりの魅力。

特に「酵素」はその最たるものとして有名です。生の食材(あとは発酵食品など)からしかなかなか摂ることができません。

そしてこの酵素の補給こそが、人と同じく、愛犬の健康と若々しさをキープするのにとても重要だと言われています。

酵素について

私たちの体の中には「消化酵素」「代謝酵素」と2種類の酵素があるとされています。

現代の犬は消化に悪いもの(犬の食性に合っていないもの)、添加物の多いものを食べていることからこれらの酵素が不足気味に…。

たとえば添加物たっぷりのごはんだと、その不自然なものを体がなんとかしようと代謝に多くの酵素が使われます。逆も然り。

そこで消化に使う酵素を、食材が持つ「食物酵素」で補ってあげたら?その浮いた分は代謝のほうに回せるというわけなんです。

代謝は体を正常に保つシステム。しっかり機能することで免疫力アップが期待できます。

免疫力が上がれば、体が丈夫になり、がんやその他多くの病気に対抗する力が付きます。

…とここまでは「イイ話」なのですが。

じつはこの酵素も奥が深く、生の食材から取り入れたからと言って必ず有効利用されるわけでは無いようなんです(-_-;)

以前、酵素ドリンクがブームのときに酵素についていろいろ調べたのですが、そこにあったのは「酵素もたんぱく質の一種だから、結局消化されて終わり」という記述。あ然としました(´゚д゚`)

いくら外から取り入れても“酵素として働かずに”ほかのたんぱく質と同じように消化されてしまう…という何とも悲しいお話です。

「酵素!酵素!」と大々的に謳っているのに騙された感が半端なく…。(まぁ酵素を働かせるのに有効な“補酵素”には良さそうなものもあるようでしたが。)

そういうわけなので、生の食材がもつ酵素も同じ道を辿るのかなぁと。。現時点で詳しいことは分かりませんが、盲信はしないほうがいいのかもしれません。

ただ「加熱に弱い栄養素を損なわない」というのは紛れもないメリットです。

消化がいい

「生肉は消化がいい」ということも必ずメリットとして言われています。

これも酵素が消化を助けてくれるから。…でも先に書いたように、そもそも酵素としての力が発揮されないのなら、この点も懐疑的になってきますよね^^;

そしてこの点も賛否両論です。

「生肉のほうが消化にいい」という声が圧倒的ですが、中には「加熱した肉のほうが消化にいい」という真逆の意見もあります。

また、「消化が良すぎても吸収されずに出ていく」「消化を助けすぎても体が怠けてよくない」などの一風変わった声も。

毎回「何が本当で何がいいんだー!?」と分からなくなります…それだけ犬の栄養学は未だ解明されていないことが多いのでしょうね。(人もか?)

私はと言うと…この件での消化についてはあまりシビアに考えていません。なぜかと言うと「ドッグフード」も「加熱した手作りごはん」も「生食(生肉)」もあげているから(;´∀`)

人によって色々な考えがあると思いますが、私は「どんなものでも食べられる」がいいなぁと思うので、あまり気にせずに色々なものを食べさせています。

実際生肉が消化にいいなら、消化機能が弱っている子や老犬にはとてもいいのですけどね。どちらもあげてみて様子を見てみるのがベストかも。

ダイエット効果

生肉はダイエットにも良いと言われています。

良質な動物性たんぱく質は、筋肉量をアップさせてくれるので代謝が上がり、太りにくい体にしてくれるのは、人間界でも有名な話ですね。

ましてや犬は人よりもたんぱく質を必要とする生き物なので、なおさら犬の食性には合っています。

でも“生肉”である必要は?と言うと、ここでもやっぱり「酵素」が出てきて、酵素を補うことで代謝酵素が十分に働き新陳代謝が活発に。結果、筋肉の付きもよくなるとか。

口内環境をよくして歯周病を予防

愛犬のお悩みでおそらく上位にくるであろう歯周病問題…。これも生肉を与えるようになって改善された報告がとても多いです。

こちらも酵素、そして口内環境をクリーンにしてくれる良い菌の存在があるもよう。

とはいえ1番効果的だと思っているのが「生肉+生骨」の組み合わせ。ある程度の大きさの“骨付き肉”を齧らせることで、物理的に歯垢を取り去ることが期待できます。

またしつこくしゃぶることで唾液分泌も盛んになるので、それも良いみたいです。

(ドッグフードも手作りごはんも基本は丸呑みですからね~)

歯石はスケーラーなどでしか取れないと言われますが、実際改善された方が多くいるので、歯磨きをさせてくれなくて歯石にお困りの場合は、まずは大きめの骨付き肉を試してみるのもいいかもしれません。

うんち(量、におい)の改善

お肉は犬が最も必要とする食材。それは当然ながら「犬の体に必要な栄養」がバランスよく含まれていることを意味します。

それはすなわち「無駄がない」ということ。

安いドッグフードでは、犬の体がそれほど必要としていない消化に悪い穀物がたっぷりのものが多く、それだと「無駄が多い」のでその分うんちの量や回数は多くなります。

においについても、食性に合っていない食べものをたくさん与えられている今のワンちゃんは腸内に悪玉菌が多く、それが要因の1つかと思います。あとは単純にきつい香料の影響もあるでしょう。

これらの問題が、新鮮な生肉を取り入れた食事に変えることによって改善されることは想像に難くないですよね。

ただこれだと加熱したお肉(手作りごはん)でも同じことが言えるんじゃ…?

と言うと、そこはやはり生肉はより“消化吸収”が良いと言われているので。(↑真偽は分かりませんが…。)

ただ1つ、食べ慣れていない子に生肉を与えると下痢をすることが多いそうなので、その点はご注意を。

皮膚と毛艶がキレイになる

これは本当にたくさんの人が言っています。「生肉をあげるようになってから毛艶が良くなった」と。

うんちはよく言われますが、毛艶や毛並み、皮膚の状態も紛れもなく「健康のバロメーター」ですよね。

不健康な状態でツヤツヤフサフサの毛並みってありえません(笑)

どうして綺麗になるのか?主な理由は…

  1. 動物性たんぱく質の十分な摂取
  2. 新鮮なたんぱく質と脂肪の摂取
  3. 新陳代謝がよくなるから

などなど。

でもこれも①は加熱肉でもよさそうだし、③はやっぱり酵素のおかげ(代謝酵素がしっかり働ける状態)によるものなので何とも…

唯一②だけは「生肉のメリット」として数えられそうです。あとはやっぱり加熱で失われる栄養素がちゃんとに摂れるのも大きいのかもしれません!

そして何を隠そううちの愛犬も↑の効果を実感している一匹。生肉をあげるようになってから毛に艶が出て触り心地もふわふわになった気がします(*^^*)

もしかしたらプラセボ効果のようなものかもしれないけど(笑)愛犬を触るたびにニヤつく私がいます。

生肉の注意するところ

ここまで、生肉のいいところとちょっぴりの気になるところを一緒にご紹介しました。

いかがでしょう?あなたは「試してみたいな~」と思われたでしょうか。もしくは「やっぱやめとこ…」と思われたかも?(;^ω^)

いずれにしても「犬に生肉を与える際に注意すること」は知っておいて欲しいと思います。

それでは見てみましょう。

初めて与えるときは少量で様子見を

生肉に限らずですが、普段食べ慣れていないものが急に入ってくると胃がびっくりしてしまいます。

消化がうまくできずに下痢や嘔吐してしまう子もいるので、初めて与える食材はまずは少量から試してみましょう。

(私は初めて試すドッグフードを急に切り替えてしまうのであまり偉そうには言えないんですが…汗)

生肉の場合、ほとんどのワンちゃんが喜んで食い付くと思いますが、中には“未知なる食べもの”に警戒して口を付けない子もいるかもしれません。

でもそういう子もただの食わず嫌いなだけで、ちょっと食べたら「何?これ…美味いじゃん!!(゚Д゚)」と気付いてくれるかも。なので最初は少量で様子見を。

新鮮さはいつも意識しておく

特に気にしなくても全く平気な子もいますが、やっぱり生であげる…となると「鮮度」には気を付けたいところです。

その点通販などで「生食用」として売られているものは安心度が高いです。「冷蔵庫で自然解凍、2日以内に使い切る」を心がけましょう。

気になるのはスーパーに売っているお肉。こちらも肉の状態や賞味期限をしっかりチェックして、うっかり冷蔵庫で○日経過…というものはあげないようにしましょう。

「生肉だけ」はやめる

いくら生肉は犬の体に合っているとはいえ、「犬のごはん=生肉だけ」はやめましょう。

残念ながら生肉だけでは犬が必要とする栄養の全ては補えません。

生肉には動物性たんぱく質が豊富ですが、ビタミンやミネラルは不足していますからね。

生肉のほか、骨、内臓類、野菜、果物、オメガ3のオイルなどをプラスして栄養バランスを整えてあげてください。

豚肉だけは加熱推奨

犬と生肉について調べると、必ず「豚肉は生NG」と書かれています。

理由は、豚肉はほかのお肉と比べて寄生虫や細菌による食中毒のリスクが高いためです。

生の豚肉で怖いもの

E型肝炎ウィルス、サルモネラ菌、カンピロバクター、トキソプラズマ、有鉤条虫、旋毛虫など。

このことは私も小さい頃から親にしつこく言われていたので、豚肉だけはかなり警戒してしっかり火を通すようにしていましたね。

ただ、先にも書きましたが、今は技術の発達(?)で、ペット用であれば生食OKの豚肉もあるようです。

でも…やっぱり怖くないですか?これだけ「よくない」と言われているので、それをあえてあげる必要も無いのかなぁと個人的には思います。

下手に気を揉むくらいならしっかり加熱したものをあげましょう(;´∀`)

とりあえず冷凍する

こちらも食中毒対策で。「-20℃で24時間以上の冷凍」で寄生虫や細菌の感染リスクを減らすことができるそうです。

通販で買える生食用の生肉は基本的に冷凍ですし、スーパーで売られているお肉も、産地や種類によりますが、一度冷凍されたものが多いですよね。(解凍ものには「解凍」の表記あり)

でもよく分かんないな~ってときや、あと、たとえば「知り合いの猟師さんから鹿肉や猪肉をもらった」ような場合。(特殊かもしれませんが…)

冷凍されているか分からないお肉の場合は、念のため一度冷凍処理したほうが安心できると思います。

生肉(生食)が万犬受けするわけじゃない

生肉は犬の食性に合っていますが、だからと言って全てのワンちゃんに「おすすめ」なわけではありません。

中には生肉が体に合わない子もいますし、好きじゃない子もいます。

まれに生肉にアレルギーを持つ子もいるようですし、少量でも下痢をしてしまうようならやめておいたほうが無難でしょう。

ドッグフードや加熱した手作りごはんのほうが合っている場合は、生肉を無理に食べさせる必要は全くありません。

うんち、おしっこ、体重、毛艶、皮膚の状態などを総合的に見て選んだごはんが「愛犬にぴったりのごはん」となります。

結局「生肉」はいいの?私の結論

生肉について調べていて思ったのが、その良し悪しはつまるところ「酵素」「消化の良さ」が握っているのかなぁということ。

加熱した肉よりも生のほうが優れている理由は主にこの2つにありそうです。

酵素は生の食材からしかなかなか摂れない。この酵素が消化を助けてくれると代謝酵素がしっかり働ける。代謝は体が正常で健康であるために必須のシステムだから、結果的に体全体の健康につながる。

生肉でたくさん言われているメリット(効果)も↑があってこそ。

でも、すでに書きましたよね?この2点もじつは懐疑的であることを…。

なので正直なところ、(加熱したものより)生肉や生食は手放しで「犬にいい!」と言い切れるかは分からないでいます。

しかし、私は生肉賛成派なのです。なぜかと言うと…

愛犬が喜ぶから(・∀・)

私が手作りのごはんを用意しているときに、生肉を準備しているのが分かると一歩前に出てきますから(笑)

普通の手作りごはんも大好きですが、それだけのときはいつも大人しく待っているんです。やっぱり生肉は好きなんだなぁ~と。目の輝きが違って見えます。

あとはこれもすでに書きましたが、毛艶や毛並みが良くなった気がするんですよね^^体に合っていなかったり良くないものであれば、このような良い変化は現れないと思うんです。

もちろん「愛犬が喜ぶからいい」わけではありませんが、生肉のメリットと愛犬の様子を照らし合わせると、自然といいのか悪いのかは見えてくると思います。

世の中には色んな情報があって混乱してしまいますが、「あなたの愛犬にとってどうなのか?」を第一に美味しいごはんを選んであげてくださいね。

まとめ

犬に与える生肉についてまとめてみました。

圧倒的にメリットが多い一方で、逆の意見もあったり…で、やはり飼い主としては判断に困るところですが、ここは直感を大事に「試してみたい!」と思われたなら試してみることをおすすめします。

何でもそうですが、結局試してみないことには何も分かりません。もしかしたら愛犬のお悩みの症状が改善するかもしれません。

食の喜びが増してますます笑顔になるかもしれません。

私は生肉を取り入れてみて良かったと思っているのでひいき目ですが^^;「気になるところ」も知ったうえで、ぜひチャレンジしてみてください。