冷蔵庫に必ずある食材の中でも、間違いなく上位に君臨するのが「卵」ではないでしょうか?
いつでも買えるし、価格の変動が少ないし、安いし…で買いやすいのが嬉しいですよね。何より卵は「完全食」と言われるくらい栄養豊富!
そんな卵を手作りごはんにせよ、フードのトッピングにせよ「愛犬にも与えたい」と思われる飼い主さんは多いでしょう。
そこで今回は「犬と卵」についてまとめてみました。
目次
犬は卵を食べても大丈夫!むしろあげて欲しい!
まず「犬に卵をあげても大丈夫なのか?」が気になると思います。
これは大丈夫です!人と犬は見た目こそまるっきりちがう生き物ですが、一部を除いて、ほとんど同じものを食べることができます。
むしろ、栄養たっぷりの卵を「ぜひあげて欲しい!」と思います(・∀・)
たんぱく質にいたっては、人の場合ですが、2個食べるだけで、1日に必要とするたんぱく質の3分の1が摂れるそうです。
量の調整は必要ですが、犬は人よりも多くのたんぱく質を必要とするので、そんな面からも犬にとって卵は体に嬉しい食材と言うことができます。
卵の栄養って知ってる?
卵に栄養が豊富なのは知っているけど、どんな栄養素が含まれているのか詳しくは知らない…
そんな方も多そうです。
じつは私もそのうちの1人だったのですが(笑)今回調べてみて「やっぱり卵って凄いわ(*゚∀゚)」と思った次第です。
その栄養について、ここで詳しくご紹介しますね。
「完全食」と言えば…な卵
冒頭でも書いたように、卵は「完全食」の中で1番に名前があがるくらい栄養豊富なことで有名です。
完全食とは、それだけで“人が健康を目指すうえで必要とする栄養が補える食品”のことです。
卵には、ビタミンC、クロム、食物繊維以外の栄養素が全部まるっと含まれていると言うのだから驚き!
面倒な栄養計算をしなくても、「それを食べていればとりあえずはOK」というお手軽さが魅力です。
(とはいえ、毎日それだけを食べるのは栄養が偏ってよくないですが^^;)
良質なたんぱく質としても有名
↑の完全食~ともつながってきますが、卵は「良質なたんぱく質」を含む食品としても有名ですね。
この、ただの「たんぱく質」と「良質なたんぱく質」のちがいは、ずばり「アミノ酸スコアの高さ」にあります。
アミノ酸スコアとは、人が食べものからしか摂取できない9種類の「必須アミノ酸」をどれだけバランスよく含んでいるか、の目安となる数値のこと。
卵は、どの必須アミノ酸も基準値の100以上含まれているので、最高数値の「100」となっています!
ただ、犬の必須アミノ酸は人よりも1つ多くて(アルギニン)、全部で「10種類」。
犬の「10種類」の必須アミノ酸
アルギニン、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン
必須アミノ酸は、どれか1つでも少なければ意味がない(上手く利用されない)ので、犬の場合アルギニンの含有量がカギとなりますが、調べたところ、卵にはアルギニンも豊富に含まれているようでした。
なので、犬にとっての“卵のアミノ酸スコア”の詳細は分かりませんが、人と同じく良質なたんぱく質であることは間違いないでしょう。
注目!メチオニンの効果
卵に含まれる必須アミノ酸の中でも、注目なのが「メチオニン」です。
抗酸化作用があるので、毎日の活性酸素と戦ってくれて、病気と老化を遠ざけてくれます。
血中コレステロールを下げる作用もあるので、犬の生活習慣病の予防に効果的。
また、解毒作用や、がん予防にも効果を発揮します。
ビタミンとミネラルがギュッ!
さんざん栄養が豊富だと言っているのでお察しでしょうが、卵にはたんぱく質だけでなく、ビタミンやミネラル類もギュッと詰まっています。
特に多いのがビオチン。これは卵の黄身に多いです。
ビオチンは水溶性ビタミンの一種で、皮膚や目、被毛の健康に欠かせないもの。皮膚炎の緩和にも良い働きが期待できます。
また、糖質の代謝にも深く関わっていて、体を疲れにくくするようサポートしてくれます。
ほかにも、細胞の生まれ変わりを助けてみずみずしくしたり、成長のために必要な脂質の代謝を担う「ビタミンB2」、赤血球を作るのに必要で貧血予防に効果的な「ビタミンB12」なども多く含みます。
ミネラルではセレンが豊富。
セレンは、体が錆びないように働きかけるミネラルで、抗炎症作用や免疫力、抵抗力アップ、がん予防にもいいと言われています。
脳力を高めるコリン
細胞の中に存在しているリン脂質の一種「レシチン」。卵黄に豊富なのですが、そのレシチンに含まれる「コリン」には、脳の働きを高める効果があるとされています。
そのため人と同じように、犬の認知症などにも良い効果が期待できます。
またコリンには中性脂肪をコントロールしたり、血管を広げて血圧を低下させる作用もあるとされています。
風邪薬にも使われてるリゾチーム
卵白に含まれており、風邪薬にも利用されている成分が「リゾチーム」です。
「卵」と「風邪」…?と言うと、風邪を引いたときに作る「たまご粥」くらいしか思い付きませんが、じつはこんなつながりがあったとは。
何でもリゾチームには、風邪の原因となる細菌を攻撃してくれる働きがあるようです。
卵というと黄身のほうに目が行きがちですが、白身もなかなか侮れませんね!
ほどほどに気にしたい「注意点」って?
ここまでを読むと「卵バンザイ\(^o^)/」とも言わんばかりに褒めちぎっている感がありますが、じつは注意点もあります。
とはいっても“ほどほどに”気にしたい注意点です。
…それは一体何なのか?詳しくご説明しましょう。
生卵の白身はあげちゃダメ?
犬に卵をあげていいのか…?調べていて必ず書かれているのが
生の白身はあげてはダメ!
というもの。
理由ははっきりしています。それは、生の白身には「アビジン」という、ビオチン(ビタミンBの一種)の吸収を邪魔するたんぱく質が含まれているためです。
↑がエスカレートしてビオチン不足になってしまうと、皮膚炎、脱毛、下痢、元気がなくなる…などの症状が現れます。
そうなると、当然「じゃあやっぱり生の白身はあげないほうがいいね」となると思いますが、私の答えはNO。
なぜなら、卵のアビジンでビオチン不足に陥るとしたら、それは大量の卵を摂った場合だからです。
普通に考えて、生の白身だけを大量に与えることってないですよね…?
常識的な量だったり、毎日与えるわけじゃないならそれほど気にすることはありません。
さらに黄身と一緒の「全卵」なら、黄身にビオチンがたっぷり含まれていてビオチン不足を回避できるので、問題ないとも言われています。
それでも心配なら、加熱しましょう~。それでアビジンの働きは失われます。
コレステロールは高い
卵は、言わずと知れた「コレステロールが高い食品」の代表格です。
よく「卵は食べすぎるとよくないから食べても1日2個まで」と聞きませんでしたか?これは…そう、コレステロールが高いことが理由です。
しかし、この1日2個まで~という制限は今では撤廃されています!(2015年から無くなった)
これは、卵を1日3個以上食べている人と、そうじゃない人を比べても、死亡率に差はなかった…ことから。
「コレステロール」と聞くと、血管をつまらせたりと体に悪いイメージを持ってしまいますが、じつはそんなに悪いものではない…というか、むしろ「摂ったほうが長生きする」とまで言われているんですよ。
コレステロールは細胞膜やホルモンの材料になる、体にとって必要不可欠なものですから。
もちろんバカみたいに摂るのはよくないですが、↑の結果からも分かるようにそれほど警戒するものではないのです。
なので、卵もコレステロールが高いことをそんなに気にしなくても大丈夫。
ですが、高脂血症であったり、中性脂肪が高めな犬の場合は少し注意が必要。量をセーブして様子を見ましょう。
卵アレルギー
卵は、食物アレルギーになりやすい食品としても知られていますね。
犬の場合も「卵アレルギー」を持つ子がいるので、はじめて与える場合は少しの量から試してみることをおすすめします。
また鶏肉にアレルギーがある場合は、卵にも反応しやすい傾向にあるので、その点も合わせて注意してみてください。
我が家での与え方(頻度、量など)
栄養満点という体に良いポイントと、ほどほどの注意点がある卵ですが、もちろん我が家でも愛犬の食事に利用しています(*^_^*)
うちは朝はドッグフード、夜は手作りごはんという半々の食事スタイル。卵は手作りごはんのときに使っています。
手作りごはん…と言っても、その99%くらいは全部ごちゃまぜの簡単おじや(笑)卵は最後に割り入れて、予熱で火を通す…というような使い方をすることが多いです。
いい感じに卵白が固まって、卵黄は半熟状態で見た目にも美味しそうな仕上がりに(・∀・)
与える頻度は、きっちりと決めてはいませんが、大体週に1~2回くらいです。
小型犬6kgほど、その日の(1食分の)たんぱく源として卵1個を使います。(+お肉ちょっと…というパターンが多い)
コレステロールについては先に書いたとおりですので、1日の摂取量に気を付ければ毎日与えても問題ないとは思いますが…
やはり栄養の偏りも気になるので、週に数回ほどがいいのではないかと思います。
まとめ
今回の記事を書くにあたり、身近すぎて分からなかった卵の魅力を再確認することができました^^
卵は人にとっても犬にとっても、体と健康に良い食品であることは間違いありません。
ちょっとしたポイントに注意しつつ、その「卵パワー」の恩恵に預かれるように上手く利用していきましょう!