「犬は基本肉食だから、食物繊維は必要ない」ってよく言われていましたよね?
私も「そうなんだ~」と以前は特に気にすることもなく納得していたのですが、時代は変わるもの。
今はそのあたりの常識が曖昧になっているようで…。
そこで今回は改めて「犬と食物繊維」について調べてみました。
犬に食物繊維は必要あるの?
昔の常識と現代の見解はちがいますし、ネットで調べても「いい」「悪い」と両方の意見があるので正直混乱してしまいますよね。
でも、「犬と食物繊維」においては、ずばりこう断言できるのではないかと。
犬にも食物繊維は必要!
と。
犬は基本的に「肉食」ですが、だからと言って肉だけ摂っていれば大丈夫!というわけにはいきません。
肉だけでは補えない、細かなミネラルやビタミンは野菜に豊富に含まれています。
そして、そこに新たに「食物繊維」もプラスする考えが知られるようになってきました。
同じ雑食性の人と犬。人に良い食物繊維は、犬にとってもやはり良い作用が期待できるのです。
犬にとっての食物繊維のメリット
犬に対する食物繊維のメリットですが、これはほぼ人と同じことが言えます。
- 腸内環境を整える
- 便秘解消
- コレステロール量を調整
- 血糖値が上がるのを抑える
- 満腹感の維持
などですね。
ただ、食物繊維と一口に言っても“種類”があるので、犬にプラスとなるように与えるにはその特性を知っておく必要があります。
食物繊維には2種類ある!
食物繊維には大まかに分けて「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。
これらはどちらかが多すぎても少なすぎてもダメで、適度なバランスを保つことでそのメリットが最大限に生かされるのです。
人の場合は、「不溶性食物繊維2:水溶性食物繊維1」の割合が理想と言われていますが、犬の場合もそこを目安にするといいと思います。
それでは、それぞれの食物繊維の特徴を詳しく見てみましょう!
水溶性食物繊維
水に溶ける食物繊維です。りんごなどの果物に多い「ペクチン」や、海藻類に多い「アルギン酸」などが有名。
水溶性食物繊維には…
- 有害物質を吸着して体の外に出す
- 胃の中に長い間とどまることで、血糖値の上昇を抑える
- 血液中のコレステロール値を下げる
などの働きがあります。
また、その多くは、乳酸菌やビフィズス菌などの“善玉菌”のえさになるので、腸内環境を整えるのにとても効果的です。
水溶性食物繊維が多い食べ物
水溶性食物繊維が多い食べ物には…
ごぼう、納豆、アボカド、オクラ、あしたば、芽キャベツ、モロヘイヤ
などがあります。
不溶性食物繊維
水に溶けない食物繊維です。(リグニン、セルロースなど。)野菜、穀類、豆類など、こっちのほうが含まれるものが多いです。
ちょっと抽象的ですが…一般的な「食物繊維」のイメージはこちらになるようですね。
不溶性食物繊維の特徴は、何と言っても「便秘解消!」ここは覚えやすいポイントです。
水分を吸ってかさが増すことで腸の蠕動運動が刺激されて、便通改善に効果的とのこと。ほどよい硬さに調整もしてくれます(*゚∀゚)
不溶性食物繊維が多い食べ物
不溶性食物繊維が多い食べ物には…
いんげん豆、おから、パセリ、モロヘイヤ、納豆、あしたば、エリンギ
などがあります。(全体的に豆類が多いです。)
大事なことと注意点について
犬の体は人よりも繊維質の消化が苦手なのはたしかです。なので、人のように食物繊維は必要ではありません。
でも、まるっきり0でもいけない。少量を適度に摂ることが、犬の健康においてもとても大切です。
だからやっぱり、ここでも重要なのは…
バランス
なんですよね。
これは何も食物繊維に限ったことではありません。どんな栄養素もそうですよね。
先に書いた水溶性、不溶性のバランス、そしてたんぱく質や脂質などほかの栄養素との(量の)バランス。
摂りすぎてしまえば、消化不良を起こして下痢になったり、便秘になったり…。マグネシウムやカルシウムなどのミネラルの吸収を邪魔してしまうこともあります。
とはいえ「理想的な摂取量」は個体によって差もあるので、一概に「食物繊維は○g摂ろう!」と言うことはできません…。
なので、
- フードメインならトッピング程度に
- 手作りご飯なら2~4割程度に
食物繊維が豊富な野菜を、愛犬のご飯に使ってみるといいのではないでしょうか。
もちろん野菜のほかにも食物繊維を含む食品はたくさんあるので(きのこや海藻など)、バリエーションを増やしてみてもOK。
「摂りすぎ」「与えすぎ」にさえ注意すれば、それほど小難しく考えることもないと思うので、ちょっと意識してもらえたらと思います^^
まとめ
「犬と食物繊維」についてのお話でした。
「本当はよくないと思うんだけど…」と、これまで愛犬にこわごわ野菜をあげていた飼い主さんにとって、少しホッとしていただけた記事だったのではないかと(笑)
とはいえ犬にプラスとなるのは、あくまでも「適量の食物繊維」です。
さらにその種類や特徴を理解して与えるのが大事。バランスを意識して、愛犬の健康に役立てていきましょう!