ダイエットにも良いということで日本でもオートミールが広く知られるようになりましたね。
そんな中「犬にオートミールってどうなの?」と思われる飼い主さんも多いことでしょう。
結論…犬にもオートミールはありです!
ただ与える場合には、注意したいことや事前に知っておいて欲しいことがあります。
その点を詳しくご説明しますね。
目次
玄米より凄い!オートミールの栄養価
まずはオートミールの栄養価について知っておきましょう。
オートミールってどんなところが凄いの?という質問には、とりあえず「玄米よりも凄いのよ」という返答がシックリきます(笑)
一般的には「白米よりも栄養価が高い玄米がいい」と言われていますが、その玄米よりもオートミールは栄養価が高いと評判なのです。
オートミールは全粒穀物で精製されていないので、ミネラルやビタミンなどの栄養素がたっぷり残っているんですね。
オートミールに豊富な栄養素には
- 食物繊維
- 鉄分
- 亜鉛
- ビタミンB1
- カルシウム
などがあります。
ここでちょっと玄米や白米との栄養価の違いを比べてみましょう。
オートミールは玄米と比べて…
食物繊維が3倍、鉄分が2倍、カルシウムが5倍!
オートミールは白米と比べて…
食物繊維が22倍、鉄分が5倍!
おぉーこれは優秀だわ(゜o゜)
ご覧の通り、オートミールは特に「食物繊維」が豊富なんです。私たちが最もよく食べている白米のなんと22倍!
だからお通じに良いと言われています。鉄分もかなり多くて、鉄分は不足しがちな栄養素なのでこれも嬉しいポイントです。
オートミールで期待できる効果とは?
「栄養価が高い」と言われても具体的にどう良いのかがよく分からないですよね。
そこで「オートミールを食べることで期待できる効果」について、箇条書きでまとめてみました。
- 血中コレステロール値が上がるのを抑制
- 血糖値が上がるのを抑える
- 血圧低下作用
- 免疫機能を正常に保つ
- 低GI食品だから脂肪になりにくい
- 満腹感が続くからダイエットに良い
- デトックス効果でがん予防
- 2種類の食物繊維で便秘解消
などなど、色々なことが言われています。
この効果のほとんどは、やっぱり「食物繊維」のおかげなんですね。
最後の「2種類の~」というのは、まず、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があって、この2つの食物繊維はどちらも摂ることが理想とされています。
オートミールにはどちらもバランスよく含まれているので、さらに体に良い効果が期待できるわけですね。
あと、小麦やとうもろこしよりもアレルギーになりにくいというワンちゃんに嬉しい特徴もあります。
犬ご飯でよく使われる炭水化物は、うどん、そうめん、パスタなど小麦粉が原料のものが多いので、オートミールも定番にしてあげるといいのかな~と^^
犬にオートミールをあげるときの3つの注意点
オートミールには良いところがいっぱいありますが、犬に与えるときには注意したいこともあります。
簡単にまとめると以下の3つに注意です。
- 大量に与えない
- しっかり煮込んで柔らかくする
- リンの含有量も多い
1つずつ詳しく見ていきましょう。
大量に与えない
まず、オートミールは穀物で、しかも食物繊維が豊富なので「大量には与えないこと」が大事です。
使う量の目安としては「体重1kgにつき10g」となっています。
ただはじめから上記の目安量を与えるのではなく、ごく少量から試して問題ないことを確認したら、徐々に増やしていくのがおすすめです。
しっかり煮込んでやわらかくする
オートミールは5分くらい煮ると粥状になって使いやすいのが良いところですが、犬に与える場合はしっかりやわらかくしてからあげましょう。
基本的に穀物は犬にとって消化に良くないものなので、少し時間をかけて煮込んであげてください。
後述する「オートミールの種類」にも書いていますが、それぞれの種類によってやわらかくなるのにかかる時間はマチマチです。
より短時間でやわらかくなるクイックオーツが愛犬には良いかもしれませんね。
リンの含有量も多い
先述した栄養素のところでも書いたように、オートミールには「カルシウム」が豊富なのは事実なのですが…じつはその「8倍」もリンが含まれています(汗)
オートミールについてネットで調べていると、「カルシウムが多い」ことばかり強調されているのでここは注意。
リンが多いとカルシウムの吸収が上手くいかないので、この場合はカルシウムが多くてもあまり意味がない…と言わざるをえません。
人の場合もそうですが、特に犬はカルシウムが必要な生き物なので注意してください。
ネットでいくら「カルシウムが多い」ということを目にしても無視してくださいね(笑)そこは気にせずに適度にオートミールを使うのはOKです。
オートミールには種類が5つもある!?
愛犬にオートミールを与えたいと思っても、「種類が多くてどれを選べばいいの?」と迷ってしまいませんか?
じつはオートミールには種類が5つもあるんです!
スティールカットオーツ | オーツグローツを2、3個に割っただけのもので1番手が加えられていない。加熱されていないため20~30分ほど煮込む必要がある。プチプチとした歯ごたえ。 |
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ロールドオーツ | オーツグローツを蒸してローラーで平らにして乾燥させたもの。加熱時間は5分ほど。もちもちとした食感。別名オールドファッションドオーツ。 |
クイックオーツ | ロールドオーツを細かくしたもので、加熱時間は2分ほど。粒感が少し残ったとろりとした食感。 |
インスタントオーツ | ロールドオーツを加熱して乾燥させたもの。クイックオーツよりも細かく、加熱時間は1~2分ほど。とろりとした食感。味付きのものも。 |
オーツブラン | オーツグローツの外皮を粉末にしたもの。ほかより食物繊維やミネラル、たんぱく質が多い。味などはあまりないためお菓子などに使うのが一般的。 |
一般的に「オートミール」と言えば「ロールドオーツ」と「クイックオーツ」を指すようです。
どちらも主食のご飯のようにして食べたり、パンやお菓子などにも使いやすいという勝手の良さが人気のようですね。
犬ご飯に使うオートミールのおすすめはこれ!
オートミールの種類をご紹介しましたが、犬ご飯に使うオートミールも同じく「ロールドオーツ」か「クイックオーツ」のどちらかが良いと思います。
ほかは手間がかかったり、犬に不要な原材料が使われているものもあるからです。
特にインスタントオーツは、調理時間は短く済みますが、人間用に味付けされているものも多いため要注意。
原材料を確認して、「オーツ麦」以外に何か使われているものは避けたほうがいいでしょう。
はじめに犬ご飯に使うならより短時間で済む「クイックオーツ」がおすすめです。(うちはロールドオーツを普通に使っていましたが^^;)
なお加熱の目安時間は人間での場合なので、犬ご飯の場合はそれよりも多く煮込んでOKです。
消化に良くはないので、しっかりやわらかくしてあげましょう。
オートミールは腎臓病の犬に与えて良い?
結論から言うと、オートミールは腎臓病の犬には与えないほうがいいでしょう。
栄養豊富な点が魅力のオートミールですが、ミネラルも豊富で、中でも「リン」が多いことで有名です。
このリンが腎臓病には良くないんですね。
多すぎるリンは腎臓に負担をかけてしまい、また腎臓病の犬はリンの排泄が上手くできずに体にたまってしまいます。
そうなると次は骨からカルシウムが溶け出して骨がもろくなったり、カルシウムの吸収を悪くしてしまいます。
オートミールは犬の手作りご飯やおやつのクッキーのレシピなどでも人気の食材ですが、上記の理由から「腎臓病の犬には注意!」となります。
犬はオーツ麦にアレルギーがあるの?
犬の穀物のアレルギーで最も多いのは「小麦」です。
これは小麦に含まれるグルテンが原因なのですが、このグルテンがオートミール(オーツ麦)には含まれていないためアレルギーになりにくいと言われています。
ただし、100%ならないとは言い切れず、まれにオートミールでアレルギー反応を示すワンちゃんもいます。
以下のようなアレルギー症状が出た場合は
- 皮膚が赤っぽくなる
- 体を痒がる
- 毛が抜ける
- 嘔吐する
- 軟便や下痢になる
一旦与えるのをやめて様子を見ましょう。
それで症状が改善されればアレルゲンの可能性が高いため、与えるのはやめたほうがいいでしょう。
犬にオートミールを与えると下痢になる?
オートミールを食べて下痢になる犬はいます。
考えられる原因は主に2つ。
- 消化不良によるもの
- アレルギーによるもの
オートミールは食物繊維を多く含んだ穀物で、犬には消化の良くない食べ物です。
食物繊維は適量であれば腸内環境を整えてくれますが、多すぎるとお腹を壊してしまいます。
また加熱が不十分で硬いままの状態も消化に良くないので、しっかり加熱してやわらかくしてあげる必要があります。
先に書いたように、アレルギーでも下痢を起こしてしまいます。
オートミールを与えて下痢になってしまった場合は、上記のどちらが原因なのかを見極めてあげることが大切です。
犬とオートミールについてのまとめ
犬に与えるオートミールについてまとめてみました。
- オートミールは栄養価が高く犬ご飯にも使ってOK
- ただし、大量に与えない、しっかりやわらかくするのが大事
- リンが多いため腎臓病の犬には与えないほうが良い
- 短時間でやわらかくなるクイックオーツがおすすめ
- アレルギーの心配は少ないけど様子を見ながら与える
わが家では週に2~3回、その日の穀物(炭水化物)としてご飯に使っています。
栄養価が高いので、賢く使えば犬にもとても良い食材だと思います^^
「はじめは少量から」「しっかりやわらかくすること」を意識してあなたもぜひ試してみてくださいね。